遅くなりました。前回の記事「私が「メチャクチャにヤバイ就活生」になったこと[1](就活〜サイトのコンセプトまで)」の続きです。
3.サイトの実装からリリース後
5月11日に、研究室のWebを改定するための打ち合わせをした。その時にHTMLを触り、 「いまさら頼んで作ってもらうにも急すぎて大変だろうし、自分でWebサイトを作ってみようかなあ」と思うようになる。
5月12日には、Amazonで「html」で検索して一番評価の高そうな、この本を買う。

HTML/XHTML&スタイルシートレッスンブック―ステップバイステップ形式でマスターできる
- 作者: エビスコム
- 出版社/メーカー: ソシム
- 発売日: 2007/06/20
- メディア: 単行本
- 購入: 32人 クリック: 445回
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この本はすごく良かった。一見「こんなん知ってるよ〜」という情報ばかりかなと思ったけど、いざWebを作るときに体系的な知識を得られてよかった。かつての私の技量はどれくらいかというと、HTMLの基礎はわかるし、CSSをいじって色を変えたり罫線を消したりといったことはできる。javascriptもコピペで仕込むことができる。しかし、この本により、CSSで、たとえばナビゲーションバーをどのように作るかとか、CSSを見た時に何と何が対応しているだとか、そういう一からCSSを組んで理解する経験ができた。Webサイトがどのような構造でできているか、観察主眼を体得できたのも良かった。これにより、細かいメソッドは検索で補完することができる。
たとえば(この本に取り上げられているわけじゃないけど)jqueryという概念を知ることと、jqueryでだいたいどんなことができるかを知っていれば、あとは検索してやり方を調べられるのです。(jqueryについては、私のバイト先主催の勉強会で知りました。)
12日の夜ぐらいからぼちぼち作り始めていた。最初はコンテンツが明確な「KondoMeeting」から作りはじめた。もちろん「CoffeeMeeting」のパロディで、しかも一番初めに手を付けたのはロゴから。本当はFacebookログインとか流行りっぽい感じのシステムにしたかったんだけど、技量がなくて諦めた。当時はこんな逆エントリー方式を取るつもりはなくて、私のスケジュールをGoogleカレンダーで公開して、CGIでアポが取れるようなシステムを作る予定だった。特に面接といっても「一緒に飲もう!」とか「お誕生日プレゼント渡したいからこの日にアポを入れよう」とか、そういうつもりで使ってもらう予定だった。(そしてあまりの反響の大きさに一旦削除したのだが)
サイトの「パロディの仕方」に関しては、今回すごく色々と協力してくれたid:hnnhnが「CAMPFIRE」をパロディして制作したサイト、「神輿FIRE」を参考にした。
「メチャヤバ」のサイト、ひと通りデザインが出来上がったころで、自分の誕生日である5月16日の0:00にリリースが間に合わないと判断し、仮置きで「近藤佑子と面接したいなと思ったことはありませんか?KondoMeetingでは、近藤佑子の空き時間をシェアし、面接ができるサービスです。採用面接するもよし、誕生日のお祝いをするもよし、お話するもよし。近藤佑子との大切な時間を共有しましょう。」という文言を入れるだけ入れて、別の作業に取り掛かっていた。kondoyuko.comという本家の個人サイトに誕生日特設ページを作った。
5月16日、誕生日が来た。
誕生日企画の一つとして、「100人の他己分析」ということでお誕生日メッセージの代わりに私を推薦する言葉を書いてほしいという企画を作った。はじめは反応が悪く「失敗したかな」と思ったけど、しばらくして10件ちょっとの言葉が集まった。ちょっと泣きそうになるくらい、嬉しかった。誕生日メッセージに返信しつつ、「メチャヤバ」の更新作業を進めた。最初に、「推薦者の言葉」から埋めていった。自分の自己PRも、あつまった他己分析の言葉から少し組み直して書いていった。自分を記述しなければならないコンテンツは一番後回しにしていたけど、みんなの協力があり、自信をもって取り組み続けることができた。
明け方になり、まだできていないけどあまりに眠いので少し仮眠。まだコンテンツは、「推薦者の言葉」と「インタビュー(といっても自分のボヤキだが)」しかできていない。朝起きると、知らない人から件のサイトについてリプライがあった。えっ、なんでだ!!!?
個人的にURLを教えていたid:tomo31415926563がTwitterに投稿していた。9時ごろ、すでにはてブ数は20を超えていた。
今だから言えるんだけど、tomo氏がフライング投稿したサイトの状態は「近藤佑子と面接したいなと思ったことはありませんか?KondoMeetingでは、近藤佑子の空き時間をシェアし、面接ができるサービスです。採用面接するもよし、誕生日のお祝いをするもよし、お話するもよし。近藤佑子との大切な時間を共有しましょう。」をただ繰り返すというクレイジーなコンテンツで、もしかしたらそれでバスの初動は良かったのかもしれない。キャズムを超えてしまったというわけだ。当時はtomo氏に怒りを覚えたけど、今となっては感謝かもしれないです。
とりあえず、サーバーからサイトを削除し、Twitterで「まだできていないんです」と弁明し、2時間くらい、とりあえず完成させるための作業をした。「実在の人間のWebサイトである」ということを示すために、最低限の本人画像として、TwitterとFacebookのアイコン画像を使用したけど、本当は画像素材ももっと入れたかったし、文章もこりたかったし、faviconも当時設定できてなかったし、IEで表示の不具合もあるし、「7割の出来だ・・・」と思いながらも、お昼の12時前、世に出した。
エントリーシートだと思って心を込めて作りました。 / “メチャクチャにヤバイ就活生・近藤佑子を採用しませんか?” htn.to/SBHzPx
— 近藤佑子さん (@kondoyuko) 5月 16, 2012
すごいことになってしまった。サーバーは落ちるわ(ひとまずid:hnnhnのVPSサーバーに置かせてもらうことになった)、はてブのホッテントリに入るわ、私の名前がトレンド入りするわ、mixiニュースになるわ・・・。一日でフォロワーが2000人増え、たくさんの「採用したい!」というオファーを戴いた。Google Analyticsを仕込んだのが14時くらいだったけど、1日で12万PVくらいいった。この日は、一日ごはんが食べられなく、胃が痛く、手が震え、何も考えられなかった。
サイトがバズってから数日は、悩み苦しんだ。ゼミ発表の準備があるプレッシャーに加え、オファーがあった企業に対してどのように接していけばいいか、私に対する批判的コメントは「出てくるのはしょうがない」と見ないようにしていたけど、目に入ったときは「ずーん」と苦しくなり、泣いた。毎日のように泣いた。Facebookで泣き言を言えばまわりの人に慰めてもらい、「心が折れる」というと友人から「だいじょうぶ?」とメッセージが飛んできた。
このサイトのリリースによって、世界が変わってしまった。それはまるで、化学でエネルギーが与えられて熱分解した分子のように、ネットや社会との繋がり方が強制的に組み替えられてしまったようだ。
変わってしまっただけのように思えるけど、連続性を担保してくれた側面もあった。数年間疎遠だった、昔の友人・知人が「mixiニュースを見たよ!」連絡してくれた。中学・高校・予備校・大学といった今までの友人・知人たちが「Do(私のこと)ならやりかねんw」「ゆうこちゃんらしい!」と言ってくれた。
週末、まわりの人の意見を元に自分のスタンス、立ち位置を決め、気持ちに落ち着きを取り戻していた。週があけた21日「私が「メチャクチャにヤバイ就活生」になったこと[1](就活〜サイトのコンセプトまで)」という「メチャヤバ」の経緯を記述したブログ、そして22日に逆エントリーフォームであり、私のスタンスを示した「KondoMeeting」をリニューアルしてリリースした。
私は、このプロジェクトで2人の長島にトリビュートしたつもりでである。一人はもちろん「イケてるしヤバい男 長島からのお知らせ」の長島さん。私は面白く振る舞えないし、ネタも中途半端で、あのような ネタを突っ走り自分を出すことができる長島さんに多くのエッセンスを戴きました。ぜひ素敵なご結婚相手が見つかることを願っています。
もう一人は、id:hnnhnであるところの、偶然に同じ名前の長島くん。彼には「メチャクチャにヤバイ」という枕詞、コンテンツを一緒に考えてくれたり、サーバーが落ちた時にすべての権限を渡して移設や更新をしてくれたり、本当に辛い時に慰めてくれました。。(いま思い出して涙が出てきた・・・)彼も就職活動頑張って欲しいし、活躍を楽しみにしています。
hnnhnだけじゃなくて、本当にいろんな人の助けでこの一連の企画ができたと思っています。一人で作ったとも言えるし、みんなで作ったとも言えます。
kondoyuko.comの誕生日企画趣旨に、
「今年のkondoyukoの誕生日が、kondoyukoにとってもみなさんにとっても愉快なものでありますように。」
と書いたけど、みんなに楽しんでいただければ幸いだし、そしてみなさんからとても大きな誕生日プレゼントを戴いたと思います。
ほんとうに、ほんとうにありがとうございました。