こういうの、同人誌で見たーーキンプリショー in 新宿TSミュージック

(実際はBL同人をほぼ読んだことはないのですが、、あと多少のネタバレを含みます)

はせおやさいさんのレビューを読んで、渋谷アップリンクに「青春100キロ」を見に行き、その流れで、浅草ロック座に上原亜衣さんの引退公演を見に行ったのが先月のこと。

仲間うちで、ストリップ鑑賞機運が高まってるからか、ある友人に、

新宿TSミュージックにストリップ見に行こう」

と言われたときには、単純に「ストリップ面白そうだから一度行ってみたいな」という誘いだと思っていた。

正直、平日の真ん中に行く動機としては弱く、しかし、公式サイトをよくよく見ると、来年1月末で閉館と書いてあったので、これで行っておかないと行く機会がないだろうなと思い、行くことにした。

新宿TSミュージックは11時から4公演行われている。3回目が17時40分から、4回目が21時からという半端な時間なので、3回目の途中から入って1周したら4回目の途中ぐらいで抜ければいいかなと思っていた。その時までは。

人生初ストリップは道後温泉だった。その時は女性一人だったため緊張したものの、その後何回か行ったため慣れてしまった。受付のお兄さんも「いらっしゃい」とフレンドリーな感じ。

入場の際「何目当てですか?」と聞かれたので「特にないです」と答えたら「チームショー?」と言われ「???」となる。

さて、50席くらいの小さな空間には割りと人が埋まっていて、私が到着したときにはポラロイド大会(実際は、デジカメで撮った写真をプリントして渡す仕組み)が行われていた。私も道後温泉のときにはポラロイド撮ってもらったけど、新宿ともなるとこんなに人が並ぶのか! と感銘を受けた。裸も見れて、1枚500円でおみやげをもらえて交流もできちゃうなんて、会いにいけるアイドルそのものだ。その証拠に、周りの常連さんっぽい人がキンブレ(サイリウム)持ってるし……きっとあれを推し嬢のときに振り回すんだろうなあ、なんて思っている最中。

会場アナウンス「4回目はキンプリもありますので」

「あー・・・友人が誘ってきたのはそういうことだったのか!!(キンブレ持ってきてねえ)」とその時になって初めて気づく私。

同行の友人の中にはキンプリエリートの方もいて(ちなみに私の鑑賞回数は5回)、なんだそういう企画なら早く言ってほしかった。でもありがとう。誘ってくれてありがとう。

肝心のキンプリショーは4回目のトリで、チームショーという2人でのショーの枠になる。私、今日は著作権に関するセミナーに行ってきた帰りなので、なんとも複雑な思いを持ってしまったけれど、二次創作が現実となって繰り広げられているような、稀有な体験だった。最初は踊り子さんが、ヒロとコウジのコスプレでプリリズレインボーライブのシーンの再現したり、オバレの曲にあわせて踊ったり。正直のところ最初は「プリズムジャンプのないキンプリなんて」とすこし物足りない思いでいたのだけど、カラミが始まりだしてからは「ああ、なんだこの人達の性別がわからないぞ・・・!」という気持ちになった。私はあまりBLは鑑賞しないので憶測に過ぎないのだけど、腐女子が漫画や小説で親しんでいるものと、ほぼ一対一対応している現象が目の前で繰り広げられているように感じた。

昔参加したシンポジウム(日本記号学会でBLをテーマにしたものだったと思う)で「女は女の裸が見たい」「男性同士のセックスを見たいわけではない」という議論をされていたのを思い出して、腐女子が本当に見たいセックスってこういうものなのかもねと。だいぶ倒錯してるけど。

ああ、「ドラマチックLOVE」にあわせて振られる腰よ。

そしてキンブレ持ってるおじさんのお客さん、キンプリのファンじゃなかったのだわ。踊り子さんの、この新宿TSミュージックのファンなのだわ。それでキンブレ買ったなんて、愛が深すぎる。キンプリファンの女子が黄色か紫色を灯してるなか、ずっと水色で色を変えてなかった方がいたもの(もしかしたら一貫してオバレのヒロ様のファンかもしれないけど)。私が「あぁ、キンブレ持ってくればよかった……」と悔やんでいたら、常連の方が「これどうぞ」とキンブレを貸していただきました。こんな交流があるなんて、、常連さんありがとうございました!!

ポラロイド大会も、その後のオープンショーも、24時回ってるけど最高の盛り上がりでした。終電に余裕のある方はぜひ最後まで。ヒロ様とコウジと一緒に撮ってもらった写真、私も盛れてて嬉しかったです。

ちなみに、3回目のチームショーはセーラームーン(ウラヌスとネプチューン)で、これまた女子が女子のために作ったショーだなあという印象を持った。キンプリのカラミが、どちらかと言うとコミカルで面白い感じだとすると、こちらは、カラミまでの演出も美しく真面目なこともあって、えっちさが際立っていた。

チームショー以外のショーもとてもよかった。1人の持ち時間はだいたい4〜5曲分で、最初の2曲は着衣、あとの2曲で服を脱ぐ。初めてストリップに行った時もそうだったけど、しなやかに足をあげたり一番のキメポーズを取った時に起こる拍手ってのが花火が上がったときに似てるんだよなあ。

舞台全体を縦横無尽に跳ねまわる方がいれば(胸が揺れて辛くないのかな)、汗だくでポーズを取る方、ロリもあればアイドル風もあり、私は見れなかったんだけど、援交女子高生という設定の演出もあったらしく、好評だったようだ。私はといえば、消防士さんの設定の、金髪ロングの踊り子さんの笑顔が、セブ島に語学留学に行った時に知り合った先生に似てて、とても好きだな〜と思ったので思わず一緒に写真を撮ってもらった。ちなみに写真を取ると引き換え券をくれるので、30分後くらいに券と引き換えにプリントしたものをもらえるという仕組み。結構しっかりしたメッセージを書いてくれるのだけど、短い時間にも関わらず、私との体験に即したコメント(「おもわず触っちゃってごめんね♡」みたいな感じ)を書いてくれた踊り子さんのプロ意識に感動した。

ちなみに常連さんは、推してる子だけに並ぶんじゃなくてどの子にも毎回並んでることに驚いた。しかも常連さんとなると、引換券システムじゃなく写真を撮りにきた際に前回撮ったものをもらっているようだった。さらに印象的だったのはタンバリンおじさん。会場には、ノリがいい曲になるとタンバリンを叩いているおじさんが2人いて、2人ともとても素敵だった(打楽器を練習しはじめたところだったのでリズム感のよい勉強になった)。

これ、残念なのは6/10(金)までということ。二次創作物として、完全にシロとは言えなくて、でもこういう場所で、文脈でしか体験できないという意味では、凄いものを見たなあ、という感想でいっぱいです。18歳以上で、気になるという方は、行くと後悔はしないんでないかなと。ちなみにここに1000円引クーポンがあります。