【追記あり】やりたいことが見つかったけど

お久しぶりです、近藤佑子です。

1ヶ月ほど前にサイトの更新をもって内定をいただいたことをお知らせしましたが、今回、内定を辞退しました。条件面と後述する就職活動が主な理由です。色々と考えた結果、半端な気持ちでいるのは先方にも失礼だと判断しました。 取締役の方は、こんな私に温かい言葉をかけてくださいました。

自分の決めたことには責任を持ち、今後もがんばろうと思います。

 

(9/1追記)

辞退理由について疑問に思われている方がいらっしゃるそうなので、追記します。

提示していただいた賃金は、奨学金を返済しながら生活していくにはちょっと厳しいのと判断しました。節約したり自炊したりなどすれば生活していけなくもないのですが、今のんびり暮らしている私が自炊をできていないので、仕事をしながらそこまで頑張れそうにありませんでした。。。

内定をいただいた企業の業務内容は興味があるもので、一時はほぼ行くつもりでした。しかし経済状況にある程度の余裕がないと、仕事にも専念できず、期待していただいた能力が発揮できないかもと思いました(甘えかもしれませんが・・・)。

大学院に進学して得た専門性と賃金に相関関係はないかもしれませんが、将来の自分のために奨学金という投資をしたことは事実なので、それが回収できるような人生を歩まないといけない、それは私の職業選択における制限だと感じています。

経済面では、以下のことが不安なくできるような生き方をしていきたいと思っています。

  • 奨学金を返済する
  • 今までお金がなくて出来なかったことで、自分にとってためになるだろうことをする(例えば歯列矯正、数年に一度海外に行くなど)
  • お世話になった人や後輩にごちそうする

(追記終わり)

 

最近ぼちぼちと就活を継続しているなか、某IT系大企業が追加採用をするというお知らせを受けた。しかも募集職種は聞いたことがない職業だったけど、よくよく調べてみると、私のやりたいこと、ありたい自分、今研究で行なっていること、今までやってきたことと連関しており、点が線につながるように感じた。「やりたいことが分からない」と思っていた私だったが、「わたしのやりたいことに名前がついていたのか!」と感激した。新卒でそのようなことができるのは、日本ではたぶんそこしかなさそうだった。企業自体のオフィス環境もとてもよく、こんな働き方が可能なのか、と思った。今まで第一志望だと思っていた企業が霞むくらい、ここで働きたいと思った。

お知らせを受けてから説明会&選考会まで4日しかなかったが、私はできうる限りの準備をした。新卒採用のWebサイトをくまなく見て、関連書籍を購入し、読んだ。いつもぎりぎりに書いていた履歴書を前日までに完成させ、キャリア相談を受けチェックをしてもらい、「よくできている」とお墨付きをもらった。持っているリクルートスーツが学部入学時に買ったものだったので、スーツまで新調した。今までの進路選択は、人よりちょっと余計に時間はかかったけど「これだ!」という道が見つかればそれに向かって一直線に進める自信があった。今回の選考は、今まで就活で(人並みかもしれないけど)頑張ってきた私へのご褒美なのではないか、と運命的なものを感じた。

説明会では、私がその企業のいいところのひとつとして特筆すべきは働き方のスタイルではと思っていたところを、社員の方も同じように価値を感じていることを確信した。加えて、最近読んでいる『楽しい開発 スタートアップRuby

たのしい開発 スタートアップRuby

たのしい開発 スタートアップRuby

という本にある、Rubyという言語の背景知識や文化と、その企業の持っている価値観との連関を感じ、IT文化の片鱗を垣間見たようで、気持ちが高揚していた。

面接は、細かい難はあったものの、自分としては最良の出来だと感じた。自己PRサイトの件も話したが、印象はよさそうだった。

一次面接の結果が来るまでは、その後の選考プロセスにあるWebテストの準備をしたり、次の面接の対策のためにキャリア相談を受けたりしていた。キャリアカウンセラーさんからは「本当によかったねえ。がんばってね!」と言われた。泣きそうになりながら話を聞いた。

 

 数日後、結果を知らせるメールが来た。だめだった。

この環境で働くことも、似たような職種で働くことも、選択肢としてほぼ閉ざされてしまったことに悲しくなった。失恋と似た気持ちだが、むしろペットロスの方が近いかもしれない。もう会えないんだということと、先方が本当はどう思っているかわからないという点で。

本当は、就活ではこれが当たり前なのかもしれない。他の就活生は、今回の私のような準備を毎回して、トライ・アンド・エラーを繰り返してやっと内定を得ているのかもしれない。思えば、就活やり始めも初回の面接で敗退することがよくあった。この時も、自分なりに面接はそこそこやったつもりで、うまくいかない決定的な理由は分からなかった。私はその段階からほとんど成長していないのか。

自分への評価がぐらぐらした。「能力はそんなに低くないと思うんだけどなぜうまくいかないのだろう」と思う反面「自分が理想とする企業で働くには実力が届かないのだ」と思った。

企業から祈られた(不採用になった)当日、寄稿依頼されているミニコミ誌の編集会議に参加した。前日に作っていた企画案を話しながら、すごく行きたいと思っていた例の企業に落ちたことを話した。それから、頭の中に辛い気持ちがいっぱいになり、編集者のMさんが原稿について色々な方向性を出してくれるにも関わらず、今私が何を書くか、前向きなことを考えられなくなった。その夜、高円寺の焼き鳥屋でMさんと飲んだ。お酒を飲むようになってもう何年も経つが、ビールが辛い気持ちを解消してくれたのは初めてだった。

帰宅して、私は大泣きした。ここ最近、泣きたい気持ちになるのは、辛い気持ちの時ではなく「絶対負けるもんか」 と思っている時だ。負けないようにするにはどうすればいいか、まだわからないけど。どうせなら、私が一週間だけ夢見た「やりたいこと」、出会わなければよかったと思わず、出会えてよかったと思いたい。そこに私が行く道より、さらに良い選択肢が取れることを祈りたい。そう願うのは、理想が高すぎるだろうか。

 

サイトがバズってから今まで「私がとった行動は本当に良かったのか」と常に思いながら過ごしてきた。芸術家アンディ・ウォーホル の有名な言葉で「未来には、誰でも15分間は世界的な有名人になれるだろう」というものがあるが、私の案件に限らず、日本のソーシャルメディアで一日だけ有名人になることはそう珍しいことではない。私がつくったサイトがバズった時も「あれはネタでした!」と断言し、祭り状態を一日ですっぱり終わらせて、企業への対応も断った上で普通に就職活動をすれば、今頃は研究に専念できてたのかもしれない。それは極端な例だが、逆エントリーが果たして良かったのか、内定を辞退したことは良かったのか、自己PRサイトで有名になったことをアピールしたのはよかったのか・・・。この日記を公開する是非さえよく分からない。結局は、自分の状況や自分の未来に関する情報が自分がいちばん豊富に持っている。まわりの助言を得つつ、自分の責任で決断して、前に進むしかない。

自分が下した決断の分だけ、自分に下された判断の分だけ、いまの私が決まる。

 

近藤佑子、修士2年生。未だ就職活動継続中。