キャリアサポート室にいったこと

大学のキャリアサポート室でカウンセリングを受けたら想像以上に良かったので書いてみる。後輩のNちゃんがリクナビよりもみん就よりも2chよりも役に立つとFBに書いてたのはこういうことだったか(そっちは京大のだけど)。

 

最初、サイトがバズったことは隠して普通に相談していた。「何個か受けたんですけどあんまりうまく行かなくて、研究も忙しくて就活進んでなくてどうしよう〜」みたいな感じで。私の悩みとして、「面白そうと思えることは断片的にはあるけど『やりたいことがよく分からない』」という状況であることを告げた。また、しばらく(普通の)就活を中断していて、企業の探し方がわからない、今までが「知り合いがいる」ことがキーとなって就活をしていたので、業界研究とかもやったことないし、リクナビでよさそうとおもう企業を見つけても採用が終わってたりして、心が折れてやりたくない気分になることを告げた。

 

「ちょっと今選考が進んでいる会社が、ネット上の私の活動を見て興味持ってくださってて・・・」と言うと、詳細を尋ねられたのでサイトの存在を明かし、そこから話は早かった。まわりの反応や、逆エントリー方式を取ってどんな状況であるかなど説明すると、眼の色が変わった。心情や困っていることの伝達コストが非常に少ないと感じ、さすがプロだ。

 

具体的にはどんなアドバイスを受けたかというと、

  • 大企業にこだわる必要はない

 大きい組織での経験や、人的多様性への興味により大企業で働いてみたいという旨を伝えたが、かなり強い調子で「特に行く必要はない」と言われた。おそらくだが、「大企業」の括りで考えるのではなく、「やりたいことの合致」で決めろということか。元々大企業は向いていないと思いながらも、周りの人は「行けるなら行っておいて損はない」という人が多かったので、我ながら「そこまで向いていないのか!」と驚いた。

 

  • 今の現状は既にネットで出しているので、今後近藤佑子が何をなしていくのか、企業に所属している間にどうなりたいのかを提示する

 もはや個人事業主みたいなものだと言われた。新卒採用が閉じていても、中途採用やそれ以外の窓口からでも出せばいいじゃない、とのこと。ビジョンが合致しているところとタッグを組んで仕事をしよう。

 

  • 気になっている企業に対して「いいと思っているところ/微妙だと思っているところ」を書き出す、もしくは、イエス・ノーラインを引いてみる

 例えば、扱っている対象はいいけど規模が・・・と思っているのなら、その業種でトップシェアのところを見てみるとかで、それを取っ掛かりとして自分のビジョンを探していくのがいいということ。このような、自分の考えていることを把握するために「具体的に手を動かして丁寧に組み立ていく」作業は、研究においても必要だということを実感していて、先日、研究室の先輩に修論の相談をしていたところ、仮説を立てるために「研究対象の何が面白い/面白くない」と思っているのか、エクセルに書きだして理由も一緒に書いてきて、と言われたばかりだった。完全に一致。

 

 

就職活動を始めた1月ぐらいから、就活やっているときは「研究の頭に全然ならん・・・」と思っていたし、学会に出す原稿を書いていた3、4月は「自分はすごく面白い研究をやれているし、それへの意欲を減退させる就活はなんて害悪だろう!」と思っていた。そしてまた、サイトがバズってからまた、研究の頭になれないでいた。だから私は早く就活を終わらし、すっきりして研究に取り組もうと思っていた。しかし、実際やってみると(ちょっとまだうまく書けそうにないのだけど)やっぱり(思ったより)就活って甘くないなあと思っていて、なんとか状況を脱したいと思い、キャリアカウンセラーに相談したのだ。

就活も研究も、全く別のパラレルのものではなく、根は一緒なのだと認識して、少し楽になってきている今です。そして、やることを具体的に提示された以上、やらないと怒られるwwwと思ってがんばります。

キャリアカウンセラーの目は生き生きしていた。日本で他の誰もやったことない就活の、サンプルケースが目の前にあるのだ。カウンセラーさんは「一緒に組もう」と言った。私の就活のその先を見越してのことだろう。いずれは就活生に、「自分を晒すことのその怖さや苦悩を含めた話をして欲しい」と言われた。私は就職活動の現状を広く見通している専門家からの、謂わば取材を受けている気分だった。そういうの、嫌いじゃないぜ。

 

 

 

(追記:ブコメに「起業すればいい」というコメントがあったので少し補足)

大企業に向いていない/個人事業主のようだとカウンセラーさんからも言われているし、メチャヤバ以前からも「起業」という選択肢もあるのでは、度々言われるのだが、現在のところ考えてはいない。理由は以下の2点だ。

1.やりたいことがない

本エントリ中に「やりたいことがよく分からないという状況である」と書いている通りである。やりたいことが明確にあれば、それに向かっていく力や実現していくのは早いと思うのだけど、今までにそれができたと実感できるのは、学部と大学院の入試ぐらいだ。今後、自らのビジョンを考えていく中である程度やりたいことは具体化していくだろうと期待しているが、それでもあと1年弱で(修論と並行して!)ビジネスができる段階まで持っていくのはほぼ100%無理だと思われる。(新卒入社以後、起業も選択肢の一つとして考えてみては、という意見ならありがたく受け取ります)

 

2.報酬を受け取る代わりに時間的・身柄的拘束された中で、厳しくされたほうが自分のために良い

これは、研究室の先輩に博士進学について相談した時に以下のように言われた。「研究室だとどうしても学生をこき使うのも限度がある。近藤佑子はエネルギーマネジメントが下手なので、企業に就職して、厳しい環境にいる経験をしたほうが今後伸びると思う」これは、起業やフリーランスとして働くのも同じだと思っていて、自由でマイペースなのはいいが度が過ぎる自覚があり、一度きちんと雇われて働いてみたいのだ。働けるか不安もあるが、逆に言うと、対価が発生している状況だと、もしかしたら意外と順応できるかもしれない!というところに賭けたい。